一言で「しびれ」といっても、手指や足、首、背中、肩、顔、腰など、体のあらゆる部分に生じます。しびれも治療が必要なものとそうでないものがあります。長時間の正座などで足がしびれるようなものは心配ありませんが、脳梗塞や高血圧などの内科疾患、頸椎、脊椎、腰椎などの病気が引き金となってしびれが生じている場合は治療が必要となってきます。
「我慢すれば大丈夫」「暖かくなれば治る」などと簡単に考えていては危険な場合もありますので、注意が必要です。
足のしびれ
足のしびれは、神経性と血管性に大きく分けられます。神経性の場合は、椎間板ヘルニアや脊椎、筋肉が関与している場合が多くあります。血管性の場合は、血管障害により血流が悪くなり、痛みやしびれが生じます。
足首やつま先がしびれる場合は「足根管症候群」が考えられます。ふくらはぎからくるぶしを通る神経が圧迫を受け、炎症を起こし、痛みやしびれになります。
腰から足にかけてしびれる場合は「椎間板ヘルニア」や「梨状筋症候群」などが考えられます。軟骨の変性や強い筋緊張により、神経が圧迫を受け、炎症を起こし、痛みやしびれになります。
どちらも圧迫や牽引を改善し、神経血流を改善することで症状が緩和されることがあります。
手指のしびれ
手や指のしびれは脳に原因があってしびれることが考えられますので、要注意部分だとも言えます。
特に圧迫されやすいのは、頸椎、鎖骨、肘、手首の4か所があります。
頸椎では、頚部椎間板ヘルニアや頸椎の変性などが考えられます。鎖骨は、鎖骨の下を神経の束が通っています。その束が鎖骨と周囲の筋肉の状態により、圧迫を受けることで痛みやしびれが生じます。「胸郭出口症候群」と呼ばれています。肘は、「肘部管症候群」と呼ばれ、筋肉の萎縮や筋力低下なども見られます。手首は「手根管症候群」と呼ばれ、女性ホルモンのバランスが変化したときに靭帯の肥厚や変性で神経が圧迫を受け、痛みやしびれとともに手指部の筋肉萎縮や筋力低下も見られることがあります。
内科疾患で起こるしびれ
血管障害の一つの原因として、糖尿病があげられます。合併症の一つとして、末梢神経障害があります。手足のしびれやこむら返り、走るような痛みがあれば要注意です。足の裏に1枚紙を貼ったような感覚、鈍感になるような場合も注意が必要です。足が冷たく感じたり、足が細くなったりする場合は、足の動脈が詰まっている場合が考えられます。
様々な原因が考えられますので、些細な症状でも我慢せずに、ぜひお気軽にご相談ください。